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糊に拘る

次は製作過程で行う接着、これに用いる接着剤の話です。

 

 接着剤と一言で言っても実に多種多様な種類があり、革用では主に酢酸ビニル系のボンド(要は木工ボンドの濃度調整したもの)や天然・合成ゴムのゴム系ボンド、それにセメダインなどに代表される溶剤系ボンドが主流かと思います。

これらをそれぞれの長所が活かせる場所や用途により使い分けるのが通常ですが、革榮ではこれらは一切使わずに「 膠 」を主原料としたものに防腐処理などの為数種類の天然成分を独自ブレンド・濃度調整し生成して使っています。

 

 さてこの膠ですが原料は動物の皮などで、これらを煮出して作られるのが一般的です。主成分はゼラチン質(コラーゲン)ですがこれを革製品に使っている人は革榮以外では聞いたことがないです。

 最大の理由は膠のある特性にあります。

膠を接着剤として精製する際に濃度を調整しますが、精製度が低ければ低いほど(不純物が多ければ多いほど)接着力が高い代わりに保存性が悪く腐りやすく接着後の硬度は上がり、逆に精製度を高めれば高めるほど腐りにくくなる代わりに接着力は弱く硬度は無くなります。(※純度の高いものは食用ゼラチンとして使用される)

接着剤として使用できる濃度・接着力で精製すると常温ではものの数時間で腐敗してしまいます。かといって腐敗しない濃度までもっていくと接着力は非常に乏しいものになります。

 

 それを数種類の天然物質を用いることで腐敗せず必要な接着力を確保するため研究し創ったモノを革榮では使っています。内容物の組み合わせや濃度を変えれば硬化する時間や硬度までも調整できるため、強度が必要な場所や曲がる場所などにも柔軟に対応できます。

 革榮で自ら創っていますからもちろん化学物質ゼロ、天然成分100%の接着剤です!

 

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